睡眠障害の症状と原因ってどんなもの?

入眠障害

簡単に言うと寝つきの悪く、例えば、遠足の前の日に興奮して眠れなかったり、大事な試験や仕事の前に、ちゃんと寝なきゃと思って布団に入ったはいいが、緊張からなのか、全く眠りにつけず、結局次の日に寝不足になってしまったり。なんて経験をした事がある人は、結構多いのでは?このように、入眠障害とは、眠ろうとしているのになかなか眠りにつけないといった症状で、ストレスが原因だったり、体内時計に異常が発生しているために、起こると考えられています。
この症状は、単に一時的なものでしたら、さほど問題は無いのですが、これがエスカレートして慢性的になると深刻な睡眠障害になる恐れがあるので、注意が必要です。
対策としてはまず、ストレスを溜め込まないことで、眠れない事を気にしすぎると、さらに症状が悪化してしまいます。また、体内時計を整えてあげる事が大切で、睡眠の直前まで、テレビやパソコンの画面を見続けていたり、入浴やカフェイン摂取なども、脳と体が覚醒してしまう効果があるので、就寝直前に行うことは避けたほうがいいといえるでしょう。また、寝つきが悪いからといって、実際の就寝時間のだいぶ前から布団に入るのもお勧めできません。なぜなら、人の体内時計は通常、朝起床してから15時間立たないと眠くならないような仕組みになっていて、あまり早くから眠ろうとしても、眠れないのは当たり前なんです。逆にそのことで、さらにあせってしまい、どんどん眠れなくなってしまうパターンもあるので、それよりは、心がリラックスできるような空間を、例えば間接照明にしたり、音楽を流すなどして30分から1時間くらい過ごしてみてから就寝するという方法を試してみてはどうでしょうか?

中途覚醒

こちらは、寝つきは悪くないんだけれども、どうも夜中に目が覚めてしまい、その後になかなか眠りにつけないといった症状のことを言います。
この中途覚醒の症状が出ると、体は休まっているのだけれど、脳が十分な休息を得られず、結果、日中も頭が重く、ぼんやりしてしまい、集中力が保てず、例えば車の運転などに危険を伴う場合もありますので、改善が必要です。原因としては、こちらもストレスが関係していると言われていて、職場などで強いプレッシャーなどを脳が感じていると、眠りが浅くなり、睡眠不足になる。これが続くと、今度は眠れない事がストレスになって、さらに眠れなくなる、といった連鎖反応を起こし、深刻な問題になることもあります。また、男性よりも、女性に多く見られる症状といわれていて、特に妊娠中や育児中、月経前などにホルモンのバランスが変動しているときに陥りやすいと考えられています。しかしこちらは、その時期が過ぎると自然に治るケースも多く、慢性化していなければ、特に心配はありません。
この症状の対策として、仮眠をとる事は良いとされています。それは長時間ではなく、10~20分でも十分に効果が得られます。また、時間帯としては、夕方などの遅い時間ですと、人によっては夜の睡眠に支障が出てしまう事もありますので、出来れば昼ぐらいまでに済ませておく事をお勧めします。また、飲酒によって中途覚醒を和らげようとする方も多いですが、こちらは寝つきは良くなる場合があるかもしれませんが、中途覚醒の原因である脳の浅い眠りに対する根本的な解決にはつながらず、お勧めできません。

早期覚醒

私の祖父は夜の7時には就寝し、毎朝3時に起床していました。みなさんの中にも、お年寄りの方は早寝早起きだという印象をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか?
これは、ごく自然な事で、年齢によって、就寝の時間帯が変化することに問題は無いと考えられています。わたしの祖父も時間で言えばしっかり8時間寝ているので今でもピンピンしています。
この場合、こういった高年齢の方たちよりも、10代20代の若い年齢の方で、朝早くに目が覚めてしまう方を早期覚醒と認識する事が多いケースです。健康な若者であれば、通常一度の睡眠の中で浅い眠りから深い眠りへといった変動を何回も繰り返します。しかし、年齢を重ねるごとに、この振れ幅は狭まっていき、全体的に見ても、若い頃に比べて、眠りは浅くなるのが自然です。よく「眠るのにも体力を使う」なんてことを耳にしますが、厳密に言うとこれは、メラトニンという眠るために必要な物質の分泌量が、加齢と共に少なくなってくるため、年を取ると、あまり長い時間眠れなくなる。これも自然な事で問題ありません。ただし、本人に日中激しい眠気を感じるなどの支障が出た場合は、改善をする必要があると言えます。
特に若い年齢からこのメラトニンの分泌が少ない方は、ギャバなどを多く摂取するなどの方法が効果的といわれています。ですが、このメラトニンの減少はうつ病の併発が関係している場合も多く見られ、その場合は、うつの根本的な解決を先行して行う必要があると言えます。

精神的不眠

こちらは統計的に、まじめで責任感や正義感が強く、悩みを周囲にあまり打ち明けない、ストレスを溜め込んでしまうタイプの方に良く見られます。また、特別日中に眠気を感じなくても、なんだか最近疲れやすいとか気力や集中力のが続かないといったような感覚を持っている方も、この精神的不眠によるものの可能性があります。改善の方法としては、精神的・肉体的ストレスを溜め込まない事が一番で、忙しすぎる自分のスケジュールを見直したり、不安や悩みを溜め込まず、第三者に相談したり、それが無理なら、ノートに書き出すだけでも、結果は変わってきます。
頑張りすぎず、時には楽観的になってみたり、ポジティブな周りの人間の行動を適度に真似てみるのもいい方法かも知れません。