睡眠って必要?

人はなぜ眠るのか?

この質問の答えは、実はまだ良く分かっていないようです。しかし、十分な睡眠をとらなければ、覚醒時に十分なパフォーマンスが出来ないし、場合によっては、生命そのものに危険を及ぼすこともあります。
このことがほぼ、間違いない事実としてあるわけですから、私達にとって睡眠は必要不可欠なのは明白です。また、私たち人間は地球上で一番繊細な心を持った生物です。その心を支配しているのが脳であり、このいまだ未知数の、超高性能情報処理能力を有するスーパーコンピューターを正常に働かせるために、質の良い睡眠が必要だとも言われています。
心が満たされなければ、人生も満たされません。つまり、良く眠る事は良く生きる事なのです。

睡眠をとるのは人間だけ?

犬や猫などのペットを飼われている方はたくさんいらっしゃると思いますが、彼らもちゃんと睡眠をとりますし、野生の熊さんなんかにいたっては、冬眠で数ヶ月も眠っていらっしゃいますよね。
このように、地球上に生息する高等生物のほとんどは、心身の休養を目的とした睡眠の役割を持った行動をとるといわれていますが、これは大脳が発達した哺乳類は鳥類の事をいい、単細胞の生物や植物などにはそういった意味での睡眠は認められていません。
このことからも、睡眠と脳には非常に複雑で密接した関係性があると考えられています。

大脳にとっての睡眠の役割?

睡眠は、大脳のためにあるといっても過言ではないかもしれません。
脳の中には「眠る脳」と「眠らせる脳」があり、脳が脳を眠らせている事になります。大脳はその「眠る脳」にあたり、その他の脳が「眠らせる脳」にあたります。睡眠はこの「眠る脳」すなわち大脳を休ませたり、活性化させるための最大の役割を担っているのです。
簡単に言うと、眠らせる脳には睡眠物質の分泌などで、大脳を眠らせているのです。
この大脳は、高度な生物にしか発達が見られなく、脳の中枢にあたります。この大脳が、その支配下にある様々な体の組織や器官をコントロールしていて、覚醒時に全身に指令を出しています。つまり、この最高司令官が下に何も指示を出さず、休息をとっている状態が「睡眠」と呼ばれるものなのです。

眠らないとどうなるの?

私たち人間を含めた、地球上に生息する高等生物には睡眠が必要不可欠で、これを行わないとどうなってしまうのでしょうか。まず、私達に睡眠がもたらす効果に沿って考えていくと、脳や筋肉の休息が出来ない。あらゆる機能や細胞の成長の妨げになる。傷や劣化した細胞などの修復作業が出来ない。
内臓などの機能障害など、健康を維持していく事などはおろか、生命の危機にさえ陥ってしまいます。また、ここまで極端な話ではなくても、十分な睡眠が取れないと、免疫力が低下し、病気にかかりやすい体になったり、また、社会的に見ても、集中力が続かず、睡眠時間を削っての労働は非常に非効率だといえますし、すぐに疲労を感じるなど、疲れやすくなり、ついにはうつ病などの精神疾患を併発してします危険性もあります。
つまり十分な睡眠を得られないということは、精神的にも肉体的にも、健全に生活を送ることの著しい障害になると考えられます。

体内時計との関係は?

人間の体には体内時計があるといわれ、それが正常に働いている状態であれば、朝、昼、晩と決まった時間にお腹がすきます。これと同じく睡眠も、朝になれば目が覚めて、夜になれば眠くなるといったメカニズムがあって、それにあわせた行動をとっているのです。
この体内時計にも、脳が関係していて、朝に太陽の光を浴びると、その刺激で脳がセロトニンという物質を分泌し、これが覚醒を促します。さらにその15、6時間後に、今度は、メラトニンという物質を分泌し、これが睡眠を促します。これが毎日繰り返されていているため、ある程度決まった時間に起床して、就寝時間を整える事は、この体内時計の周期に沿うことになるので、熟睡できるケースが多いです。しかし、現代社会で働く人たちの生活リズムは実に様々で、人間は、この体内時計を環境や習慣にによって変化させて、適応させる能力を持っており、たいていの人は対応できるように出来ています。さらに、睡眠時間に関しても、ショートスリーパーと呼ばれる、非常に短い時間しか眠らない人もいて、子のタイプの方は、毎日2~3時間しか眠らなくても全く問題ないというから、人間の体というものは不思議なものです。